ロダンが1917年に亡くなるまで住んでいた館がロダン美術館として公開されています。
ロダンや恋人のカミーユ・クローデルの彫刻作品がメインに展示されています。 とんがり屋根の建物には、まだ開演前だというのに、開館を待つ人が見えます。 珍しいことに、自由に撮影できるので、みんな素敵なアングルを探すのに一生懸命です。 |
2階に上がる階段にはこんな爽やかで大きなアレンジメントが飾られています。
棚の中には、たくさんの人間を模った試作品が展示されています。
こういった手仕事の過程をみられるのが小さな美術館の魅力であります。 有名な「カレーの市民」はほど等身大とも思える大きさです。 タイトル「Sommeil」(ソメイユ)は、日本語で、軽い眠りと訳したらいいのか、うたたねのようなイメージです。 石がそのまま残っている一見未完成に見えるものも多いのですが、ロダンにとっては完成品なそうなのです。 |
お腹の出ている太っちょさんは小説家「バルザック」です。 ロダンよりは年がかなり上ですが、時代が重なっています。同時代に生きた芸術家同士。 バルザックから依頼があったのでしょうか。バルザックを描いた彫刻はたくさん飾られています。 でもこんな風に写実的(?)に彫り上げてバルザックは機嫌を悪くしなかったのでしょうか。 人間賛歌を思わせる筋肉美、肉体美の作品が多いロダンの作品の中で、異色です。 |
ロダン美術館はお庭だけでも見学することが可能です。 1年で一番緑が美しい季節、2階の窓から眺めるお庭の風景も清々しいです。 ロダンの「考える人」が庭に飾られているのですが、その飾られているところを他の画家が描いた油絵です。 日本人のモチーフもところどころに飾られているのが嬉しい。女の人は芸者さんです。「Hanako」と書かれていました。 この男の人、ちょっと笑ってしまいますが、こういう人、パリの地下鉄で見かけたような。 |
不思議なことに、モネの絵画1枚とそれからゴッホの絵画が1枚ずつ突然現れます。 ロダンの所蔵品だからです。 ゴッホの絵の背景には浮世絵や、富士山や日本のモチーフがパッチワークのように描かれているのが興味深いです。 日本の絵画に触発されたばかりの時の作品なのでしょうか。私もそうですが、何か新しいものをみつけると とりあえず自分の手であれこれ試してみたくなるものです。このときゴッホにとって日本はマイブームだったのかなぁ、と ゴッホをより身近に感じさせられる微笑ましい1枚です。 右の彫刻は高さ1.5mほどの小さなサイズの「地獄の門」です。 それではそろそろお庭におりてみましょうか。 |