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<総評>
生花にグリセリンや特殊インクを吸わせて柔らかな質感を出しているプリザーブドフラワーは
花の水分量が100%を超えた時点で液だれが生じ始めます。
湿度の高い場所に放置するとその保水力ゆえにカビも発生しやすくなるので、
風通しのよい場所に飾るように留意が必要です。
生花を加工しているので造花と違って1輪1輪の表情が微妙に違います。
花びらの巻きの綺麗なバラを選んで中心にあしらうことによってアレンジメント
全体の見栄えが変わってきます。
バラの正面から側面から、と鑑賞する角度によって見え方も変わります。
バラ全体を楽しめるように生けていらっしゃる思いが今月の作品から強く感じさせられました。
お店に並ぶ規格ものの商品と違って、1点ものの芸術的な印象を受けます。
花びらだけ糊付けしたり、分解してあしらうことも可能なのが便利です。
生花と違って、空間に密に花材が入らないとスカスカの印象を受けるので隙間にバラの花びら
を入れ込んだり、崩れたアジサイの花を糊付けしたり工夫もできます。
ヨーロッパでもプリザーブドフラワーは存在はしているのですがほとんど見かけることがありません。
湿度が低くいので生花も長持ちするからあえて必要ないのかもしれません。
昨今の日本の猛暑、そしてなにより多湿が生花には厳しいので、夏でも
綺麗な花を楽しめるプリザーブドフラワーは発売された当初は活気的なものでした。
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